イザベル

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 その間に,アハブは家の者をつかさどっていたオバデヤを呼び寄せた。(ところで,オバデヤは,エホバを大いに恐れる者であった。 ゆえに,イゼベルがエホバの預言者を断ち滅ぼしたとき,オバデヤは百人の預言者を取って,五十人ずつ洞くつに隠し,彼らにパンと水を供給した。

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我が主には,イゼベルがエホバの預言者たちを殺したとき,わたしのしたこと,すなわち,わたしがエホバの預言者のある者たち,百人を五十人ずつ洞くつに隠し,彼らにパンと水を供給し続けたことが,知らされていないのか。

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 そこでアハブはエリヤがしたすべてのことと,彼が預言者をみな剣で殺したことに関するすべてのこととをイゼベルに告げた。 すると,イゼベルは使者をエリヤのところに遣わして言った,「もしわたしが明日の今ごろ,あなたの魂をあの人たちの各々の魂のようにしないなら,神々がそのようになさり,重ねてそのようになさるように!」 それで彼は恐れた。それゆえ彼は立ち上がり,自分の魂のために行き,ユダに属するベエル・シェバに来た。それから,彼は従者をそこに残した。 そして彼は,荒野へ一日の道のりを入って行き,ついにあるえにしだの木のところに行き,その下に座った。そして彼は自分の魂が死ぬことを願って,こう言いだした。「これで十分です! さあ,エホバよ,私の魂を取り去ってください。私は父祖たちに勝っていませんから」

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 そして,これらの事があって後のこと,エズレル人ナボテに属するぶどう園があった。それはエズレルに,サマリアの王アハブの宮殿のそばにあった。 それで,アハブはナボテに話して言った,「あなたのぶどう園をどうか譲ってもらいたい。それはわたしの家のすぐそばにあるので,わたしの菜園にしたいのだ。その代わりに,それよりももっと良いぶどう園をあなたに上げよう。[あるいは]もしあなたの目に良いなら,その代価として金をあなたに上げよう」。 ところが,ナボテはアハブに言った,「私の父祖たちの世襲所有地をあなたに譲るなど,エホバの見地からして,私には考えられないことです」。 それゆえ,アハブは,エズレル人ナボテが,「私は父祖たちの世襲所有地をあなたに譲れません」と言って語った言葉のことで不機嫌になり,がっかりして,自分の家に入った。それから彼は寝いすに横たわり,顔を背けて,パンを食べなかった。 ついに,彼の妻イゼベルは彼のところに入って来て,こう話しかけた,「あなたの霊が悲しみ,あなたがパンを召し上がろうとなさらないのはどういう訳ですか」。 そこで彼は彼女に話した,「わたしはエズレル人ナボテに話して,『どうか,あなたのぶどう園を金で譲ってもらいたい。それとも,あなたが望むなら,その代わりに,別のぶどう園をあなたに上げよう』と言った。しかし彼は,『わたしはぶどう園をあなたに譲れません』と言ったのだ」。 すると,妻イゼベルは彼に言った,「今,イスラエルの上に王権を行使しておられるのはあなたですか。起きて,パンを召し上がり,あなたの心を楽しませてください。私がエズレル人ナボテのぶどう園をあなたに差し上げます」。 そこで彼女はアハブの名で手紙を書き,それに彼の印で印を押し,ナボテと共にその都市に住んでいる年長者たちと高貴な人々にその手紙を送った。 ところが,彼女はその手紙にこう書いて言った。「断食をふれ告げ,ナボテを民の先頭に座らせなさい。 そして,二人の者,すなわちどうしようもない者たちを彼の前に座らせ,彼らに,『お前は神と王をのろった!』と言わせて彼に対して証しをさせなさい。そして彼を引き出し,石打ちにして殺しなさい」。 そこで,彼の都市の人々,すなわちその都市に住んでいる年長者たちや高貴な人々は,イゼベルが彼らに人をやって伝えた通りに,すなわち彼女が彼らに送った手紙に記されている通りに行なった。 彼らは断食をふれ告げ,ナボテを民の先頭に座らせた。 すると,二人の者,すなわちどうしようもない者たちが入って来て,彼の前に座った。どうしようもない者たちは民の前で,彼,すなわちナボテに対して証しをしはじめて,「ナボテは神と王をのろった!」と言った。その後,人々は彼を都市の外れに引き出し,石で彼を石打ちにしたので,彼は死んだ。 そこで彼らはイゼベルに,「ナボテは石打ちにされたので,彼は死んだ」と言ってよこした。 そして,イゼベルはナボテが石打ちにされて死んだことを聞くと,イゼベルは直ちにアハブにこう言ったのである。「起きて,エズレル人ナボテがあなたに金で譲ることを拒んだ,そのぶどう園を手に入れなさい。ナボテはもう生きていません。死んだのです」。 こうして,アハブはナボテが死んだことを聞くと,アハブはすぐ立って,エズレル人ナボテのぶどう園を手に入れようと,そこへ下って行ったのである。 ときに,エホバの言葉がティシュベ人エリヤに臨んで言った, 「立って,サマリアにいるイスラエルの王アハブに会いに下って行け。さあ,彼はナボテのぶどう園を手に入れようと,下って行って,そこにいる。 それで,あなたは彼に話してこう言わなければならない。『エホバはこのように言われた。「あなたは殺人をし,そのうえ手に入れたのか」』。また,あなたは彼に話して言わなければならない,『エホバはこのように言われた。「犬がナボテの血をなめ尽くしたその場所で,犬があなたの血を,あなたの[血]をもなめ尽くすであろう」』」。 そこでアハブはエリヤに,「我が敵よ,あなたはわたしを見つけたのか」と言うと,彼は言った,「わたしはあなたを見つけた。『あなたがエホバの目に悪いことを行なうよう,身を売ったので, 今やわたしはあなたに災いをもたらす。わたしは必ずあなたの後を完全に一掃し,だれでも壁に向かって放尿する者,イスラエルの中の無力で無用な者をアハブから断ち滅ぼす。 そして,わたしはあなたの家をネバトの子ヤラベアムの家のように,またアヒヤの子バアシャの家のようにする。それは,あなたが怒らせ,そしてイスラエルに罪を犯させたその怒りのためである』。 そしてまた,イゼベルについても,エホバは話して言われた,『犬がエズレルの小地所でイゼベルを食らい尽くすであろう。 アハブの者で,都市で死ぬ者は犬がこれを食らい尽くし,野で死ぬ者は天の鳥がこれを食らい尽くすであろう。 例外なく,だれひとりとして,身を売ってエホバの目に悪いことを行なったアハブのような者はいなかった。その妻イゼベルが彼を唆したのである。 そして,彼は糞像に従って行き,エホバがイスラエルの子らの前から追い払われたアモリ人が行なったすべてのことと同じように,甚だしい忌むべきことを行なった』」。 そして,アハブはこれらの言葉を聞くや,自分の衣を引き裂き,粗布を身にまとったのである。彼は断食を続け,粗布を着て横たわり,しょう然と歩いていた。

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 ついにエヒウがエズレルに来ると,イゼベルもこれを聞いた。そこで彼女は黒い顔料でその目を塗り,頭を美しく結って,窓から見下ろした。 すると,エヒウが門を通って入って来た。そこで彼女は言った,「自分の主の殺人者ジムリにとって万事うまく行きましたか」。 そこで,彼は窓の方に顔を上げて言った,「わたしにくみするのはだれだ。だれだ」。直ちに二,三人の廷臣が彼を見下ろした。 そこで彼は,「その女を落とせ!」と言った。それで彼らは彼女を落としたので,その血の幾らかが壁や馬にはね掛かった。そこで彼はその女を踏みつけた。 その後,彼は中に入って食べたり飲んだりし,それから言った,「あなた方は,どうか,こののろわれた者を処置し,彼女を葬るように。あれは王の娘なのだ」。 彼らが彼女を葬りに行ってみると,頭蓋骨と両足と両手のたなごころのほかは何も見つからなかった。 彼らが帰って来て告げると,彼は言った,「それはエホバがその僕,ティシュベ人エリヤによって話された言葉である。すなわち,こう言われた。『エズレルの一続きの土地で犬がイゼベルの肉を食らうであろう。 そして,イゼベルの死体は必ずエズレルの一続きの土地の野の面の肥やしのようになり,人々は,「これがイゼベルだ」と言えなくなう』

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 「また,テアテラにある会衆の使いにこう書き送りなさい。火の炎のような目を持ち,足は純良な銅のような者である,神の子がこう言う。 『わたしは,あなたの行ない,また,あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を,そして,あなたの最近の行ないが以前のものより多いことを知っている。 「『とはいえ,わたしにはあなたを責めるべき[こと]がある。あなたがかの女イゼベルを容認していることである。彼女は自ら女預言者と称し,わたしの奴隷たちを教えて惑わし,淫行を犯させ,偶像に犠牲としてささげられた物を食べさせる。 そして,わたしは悔い改めの時間を与えたが,彼女は自分の淫行を悔い改めようとはしない。 見よ,わたしは彼女を病の床に投げ込む。また,彼女と姦淫を犯している者たちが彼女の行ないについて悔い改めないなら,その者たちを大患難に[投げ込む]。 そして,彼女の子供たちをわたしは死の災厄で殺す。それによってすべての会衆は,わたしが腎と心を探る者であることを知るであろう。そしてわたしは,あなた方一人一人にその行ないにしたがって与えよう。

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